こんにちは,だーすーです。
皆さん働いててこんなことはありませんか?
- どうしても上司には勝てない
- 同期に追い越されて悔しい
- セミナーに行くと周りの方が才能があると感じる
実はこんな凡人治療家でも要領のいい治療家に勝つ方法があります。
それがクリティカルシンキングです。
クリティカルシンキングとは、簡単に言うと
物事のゴールの方法を一つだけと決めつけるのではなく、多角的にゴールまでの道順を考える方法です。
クリティカルシンキングがなぜ優れているのか?
なぜなら、要領のいい治療家の考えつかない方法や抜け道を使って先にゴールに近づくことができるからです。
今回は、
- 要領の悪い凡人
- めっちゃ不器用
- 勘繰り深い
私が解説させていただきます。
この記事では、クリティカルシンキングとその具体例について紹介させていただきます。
この記事を読むと、クリティカルシンキングを駆使して要領のいい施術家と競ることができるようになります。
この記事を読んでいただき、是非明日からの治療に役立ててください!
クリティカルシンキングとは?結果的には○○が身につく!?
クリティカルとは、批判的思考法と呼ばれていいて、
物事の根底にある問題の原因を再度検証し、物事の本質を捉える思考法
の事を言います。
とても簡単にすると、
『解決方法は本当に1つだけなのか?と考え続けていき、客観的にあらゆる可能性の中から最善な解決方法を導き出す。』
事です。
これをするには常に、
- これが最善か?
- 他に解決方法はないか?
- 見落としはないか?
と常に自分の思考と対話していく必要があります。
これをすることで『新たな視点が浮かび上がる』ということもできます。
そして結果的には問題解決能力が生まれます。
例えば、、、
クリティカルシンキングは一般的に見ると、ずる賢く映るかもしれません。
具体的な例を見ていきましょう。
※記事の後ろの方に、症例を元にして考察の仕方も載せています。
地点AからBまで安く早く移動しなさい。
という課題があったとしましょう。
この時に、
- 回り道
- 渋滞
- 信号
などがあった際、要領のいい人は車や電車で最速のルートを探し出して使うかもしれません。
しかし、クリティカルシンキング的に考えると、、、
短い距離ならば
→『原付ですり抜けする方が早いんじゃないか』
遠く離れていて、お金を使いたくない
→『目的地によっては、電車より夜行バスの方が寝ていれば着くし、料金も安い』
というものも答えの一つになります。
クリティカルシンキングの理想的な答えは、大体
『え、そんなのありかよ!』となることが多くあります。
クリティカルシンキングは医療で使われているのか?
クリティカルシンキングは医療現場で使われているのでしょうか??
結論使われています。
Googleの検索や論文検索を使うと、看護領域の論文が多くみられますね。
その中の一つがこちら↓
https://www.osaka-med.ac.jp/en/research/nursing-magazine/tpv6n400000028ia-att/07.pdf
簡単に要約します。
検証目的と対象と検証方法
看護師の能力とクリティカルシンキングの相関性について
- 看護能力とクリティカルシンキングの関係性を検証する
- 対象は看護職330人
- 試験は筆記形式
結果
- 客観性
- 達成度
- 達成速度
- 誠実性
- 探求心
の項目に置いて、正の相関がみられた。
考察(一部抜粋)
伊東(2007)らのクリティカルシンキングの気質に関する研究においても,3 年未満のものよりも経験年数が多い方が「探究心」,「体系力」,「批判的思考への自信」,合計点が有意に高いのは,看護師としての経験を積むにつれて批判的に考える機会が多くなっているからであると述べている。
本研究結果においても,経験年数を重ねた看護師の方がクリティカルシンキング志向性の合計得点が高かったことから,看護師として様々なケースを経験することにより,多くの情報を多角的にとらえ,今起こっている現状を的確にアセスメントできる能力が備わってきているためと考える。
というように、医療現場でもクリティカルシンキングは有用性を発揮しています!
臨床で応用するとどうなる?
皆さんも遭遇するであろう『50肩』を例にとってみましょう。
例:2か月治療をしているが、50肩で外転制限があり、上司から棘上筋を治療するように指示を受けた。
50肩の疼痛部位で最も多いのが棘上筋です。
棘上筋は加齢に伴い、退行性の萎縮が起こります。
簡単に言うと、水分量が減り筋肉の柔軟性がなくなるということです。
と、一般的に言われています。
ここで少し考えてみよう。
ここで少し考えてみましょう。
先ほどのように、『解決方法は本当に1つだけなのか?と考え続けていき、客観的にあらゆる可能性の中から最善な解決方法を導き出す。』と考えてみましょう。
(初心者の方で必要だと思ったら、適宜スクリーンショットを使ってください。)
筋膜的に考えると、
- 棘下筋
- 上腕二頭筋
- 肩甲挙筋
外転で伸長される組織を考えると、
- 広背筋
- 肋間筋
- 大胸筋
骨の動きを考えると
- 肩甲骨
- 鎖骨
- 胸椎
神経で考えると
- 肩甲上神経
- 頭蓋骨
- 頸椎
治療法を考えると、
- 指圧
- 操体法
- 筋膜リリース
- 腱引き
- ピン&ストレッチ
- カウンターストレイン(CS)
マッスル・エナジー・テクニック(MET)
その場の改善や近隣の組織だけで考えても、17個は出てきます。
それだけ患者さんをよくできる可能性があります。
出てきた仮説を検証しながら、患者さんに貢献してください。
時には、その仮説をまとめて別の上司に相談するといい評価ももらえるかもしれません。
ぜひ、試してみてください!
まとめ
本当に、
- 上司の指示だけで治るのか?
- もっと、効率的によくできないか?
- 他に治療するべき部位はないか?
- 治療しなくてもいい部位はないのか?
素直に治療指示を聞き入れるのも、初心者にとってはとても大事なことです。
しかし、臨床には壁があります。
それが、『治りの悪い患者』です。
そのような患者を担当する際に行き詰まることが絶対にあります。
そんな時に、このクリティカルシンキングを用いることで柔軟性をつけましょう。
すぐにできることではありませんが、訓練次第で一週間もすれば容量がつかめてきます。
ぜひ、このクリティカルシンキングを身に着けて臨床に励んでみてください。